日本人の死亡原因の一位は肺癌です。
肺癌は早期発見すれば治療できる確率の高い疾患です。しかし、日本人の死亡原因の一位である癌の中でも、肺癌による死亡率トップです。
基本的に肺癌のほとんどは、無症状で進行しますので、早期発見の難しい病気です。発見が遅れれば遅れるほど、治療が困難になりますので自覚症状がなくても定期的なチェックが大切です。
一般の肺の検診では、胸部レントゲン撮影を行いますが、一枚のレントゲン撮影で小さな異常所見を全部見つけるのは難しいのが現状です。
松澤クリニックでは、精度が高く、様々な疾患の診断に効果的な最新の「マルチスライスヘリカルCT」を導入しました。
肺の生活習慣病「慢性閉塞性肺疾患」
慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstractive Pulmonary Disease:COPD)は、「肺の生活習慣病」とも呼ばれ、痰や咳、息切れなどを伴う慢性の呼吸器疾患です。
これは気流制限によって生じる閉塞性換気障害を特徴とする疾患で、肺気腫と慢性気管支炎との2つに分類されますが、喫煙を主とする有害物質を長期に吸入することで肺に炎症が生じ、呼吸機能検査で正常に戻らない気流閉塞を来します。
気流閉塞は、末梢気道病変と気腫性病変が様々な割合で複合的に作用し、進行性であることが特徴です。臨床的には、徐々に生じる体動時の呼吸困難や慢性の咳、痰が少しずつ進行することが特徴で、細菌やウイルス感染により症状が急激に悪化すると、最悪の場合は死につながります。
気管支喘息も閉塞性肺疾患の一つですが、アレルギーを主病因とすること、通常は可逆的であること、好発年齢が若い、などの点でCOPDと異なりますが、COPDと喘息が合併する場合もあるため注意が必要です。
この病気は早期に発見し、対策を講じれば進行を抑えられるのですが、従来は呼吸機能検査や医師が直接レントゲン画像を観察し、その広がり具合を推定するくらいで、これまで簡単で有効に肺気腫を早期発見し、進行具合を比較検討する方法がありませんでした。
松澤クリニックでは、LAA解析を用いてCOPDの進行度を視覚的に判断し、早期に発見することができます。また、この解析を用いることで診断治療や禁煙指導等に有用です。
受診前のご注意
ドックの内容により当日朝の絶食が必要な検査や、前日からの処置が必要な検査もありますので、ドック予約時にあらかじめ必要な注意事項について説明いたします。
採尿の必要な場合は、受診直前に排尿しないでください。
マルチスライスヘリカルCT | 多数の検出器を装備し複数面を一気に連続撮影できるため、検査を受ける方の負担が大幅に軽減されます。 |
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LAA解析 | 面積(LAA)及び、肺野面積に占める割合(%LAA)が容易に求められることができ、慢性閉塞性肺疾患の進行度が視覚的に判断します。 |
肺機能検査 | 喘息・肺気腫・肺線維症等で出現する肺の機能障害の種類や程度を判定します。 |
腫瘍マーカー | 採血を行い、肺癌に関連した腫瘍マーカーのCEA、SCC、NSEを測定します。 |
喀痰細胞診 | 喀痰中の癌細胞を顕微鏡で見つける検査です。 |
マルチスライスヘリカルCT
旧来のCTは、一枚ずつ断層画像を撮影しますが、ヘリカルCTは身体を螺旋状に連続撮影します。そのヘリカルCTがさらに進化したものが「マルチスライヘリカルCT」で、多数の検出器を装備し複数面を一気に連続撮影できるため、検査を受ける方の負担が大幅に軽減されます。さらに、撮影精度も格段に向上しました。
また、撮影した膨大なデジタルデータをコンピューター処理することにより、様々な分析を行うことが出来ます。
LAA解析(LAA解析ソフトウエア)
LAA解析を用いることで、肺気腫は、CT画像上に低吸収領域(LAA)として描出されます。また、面積(LAA)及び肺野面積に占める割合(%LAA)が容易に求めることができます。これにより、COPDの進行度が視覚的に判断することが可能になりましたので、診断治療や禁煙指導等に有用です。
腫瘍マーカー
体の中に腫瘍(癌)が発生すると、特殊な物質がその腫瘍により作られ、血液中に出現してきます。腫瘍マーカーは、癌の発生臓器と強い関連性をもつので、この物質が基準以上に出たときは「癌」があることが推測されます。
喀痰細胞診
喀痰中の癌細胞を顕微鏡で見つける検査で、喫煙者に多い太い気管支に好発する肺癌発見に特に有効です。
- 簡易肺ドック
マルチスライスヘリカルCT検査 - 18,700円(税込)
- 慢性肺疾患ドック
マルチスライスヘリカルCT検査+LAA解析+肺機能検査 - 20,900円(税込)
- 肺癌ドック
マルチスライスヘリカルCT検査+喀痰細胞診+腫瘍マーカー検査 - 23,100円(税込)
- 総合肺ドック
マルチスライスヘリカルCT検査+喀痰細胞診+腫瘍マーカー検査+LAA解析+肺機能検査 - 27,500円(税込)
検査結果について
検査結果は数日でわかりますが結果報告書作成までに2週間ほどお時間をいただいております。
2週間以降に来院していただければ成績表をお渡しいたします。
検査結果の説明をご希望の方は医師が対応し、療養指導や健康相談にも応じますのでお申し出ください。検査結果の郵送をご希望の方はあらかじめお申し出ください。
最善なアフターケア
検査結果で異常所見が認められた場合は、さらに精査の上、速やかに適切な治療を開始し、入院治療が必要な場合は、病状に適した病院を紹介いたします。
「受診歴」も保存
松澤クリニックでは、大切な各人のデータをコンピューター管理しますので、経時的な推移が容易に把握できます。
2回目以降の受診時には、前回・前々回等のデータと比較しながら、より的確な『現在の健康状態』をお伝えいたします。